店側が主張することは普段ないけれどそこをあえて。


うちのお店の子たちは、毎日のほほんと暮らしていると思う。

フクロウカフェ

 

田吾作さんのアドバイスのお陰で、自由に触るのは禁止、最後にスタッフとお話しながら手に乗せた1羽だけ優しく触ってもらうというシステムをとっている。

 

千葉のお店にいた時は、勝手に触っていいとなると必ず変な触り方をする人がいて、正直イライラしたし、注意して喧嘩になったこともあった。

 

お客さんにしてみたら触りたい放題の方が楽しいだろうし、時々心無い人に言われる『金儲け』のためだけだったらその方がいいに決まってる。

でもあえてこうすることにより、理解のあるお客様と楽しい時間を過ごし、フクロウたちもほとんどの時間を寝たり遊んだり、ご飯の時間を楽しみにしながら気ままに過ごしています。

 

自分はそもそも『金儲け』のためにこの仕事をチョイスしているのではない。

『命の尊さを伝えたいから。』などときれい事を言うつもりは更々ないけど、『金儲け』が動機なのかといったらそれは違う。

家庭では飼えないであろうたくさんのフクロウを育て、ストーカーのごとく猛禽類についてあらゆることを知り、経験したいという気持ちに駆られている。

そして自分が猛禽類に魅せられたように、まだ知らない人にも教えてあげたいし、とにかくプロ側として生涯、携わっていたいのです。

 

結果的にいわゆる『儲けたお金』でご飯を食べてはいるけれども、まだ育てたことのない種類の鳥を買ったり、餌代や飼育環境を改善するのにお金を使い、人間どもは今日もまたすき家かコンビニ弁当を食べる毎日です(笑)

 

フクロウカフェの仕事は受付や接客の他に、かなりの重労働である掃除、大量のご飯の用意、爪切り、体重測定、繋留具のメンテナンスなどの作業的なことに加え、ご飯を食べた食べないと心配したり、フンが異常ないか目を光らせ、いつもと違う行動に神経を巡らせ、何かが気に入らなさそうな子がいたら対策をとってあげたり、喧嘩したり怖がったり暑がり寒がり、水飲む飲まないなどそれぞれの習性や個性に合わせて頭を悩ませます。

雛に早朝6時〜、昼間、夜中に遊びたくて逃げ回るフクロウを追いかけてご飯を食べさせ終わると午前様です。

そして巣立ちを迎えた子には、怪我しやしないか、他の子のところに行って襲われやしないかとハラハラしながらも社会勉強のための散歩を仕事をしながら見守るのです。それはまるで子育てのように。

時々生まれつき身体の悪いフクロウを預かって育てたりもします。それは売ることもできなければ触れ合うこともできないばかりか、健康なフクロウより早く来るであろう別れの恐怖を抱きながらのお世話となります。

洋服にウン○をつけながら、体調の悪い子や繋留して間もないフクロウのことが気になって夜中に飛び起きたり、時には疲れた身体にムチ打ってお世話しなければならないこともあったり、何があっても対応できるように決して泥酔する日などないし、心の休みなどない。それは一般の飼い主さんと何ら変わりない気持ちだし、生き物を扱うというのはそういうことなのです。

 

うちはありがたいことにスタッフさんが精鋭揃いで、こうした激務の合間に、まるでここは保育園かと思うくらいよく声掛けをし、面倒を見、可愛がってくれているので、お客様にも、ここのフクロウはみんなのんびりしていて可愛いと言ってもらえます。

 

それでも結局は、私自身のやりたいことを優先させた、フクロウが選んだわけでもなんでもない、人間本位のエゴなのかもしれない。

でも何も知りもしないくせに、金儲けのためにフクロウを犠牲にしているなどと言う人は、頭が悪すぎて嫌いです。

 

全てのフクロウカフェがそうとは言いませんが、おそらく大半の猛禽類を愛してやまない人が好きなことを仕事にし、猛禽類の世話に明け暮れている。と思いたい。

 

フクロウカフェの内側の部分にはどんな思いがあるのかをアウトプットするのと同時に、全てのフクロウカフェが決して生きている彼らを『物』のように扱う事がないよう願います。

 

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